最終課題発表
最終課題コメント
万谷:作成した人によって色の付け方が2タイプあるように思います。ひとつは本当に自分の感情そのものをプロットしているタイプ。もうひとつは建物の説明をしているタイプ。今回のワークショップは実在の空間の分析だけですが、もしも理想的な創意園空間体験をこうした色彩配置で構想することができれば、将来自分が創意園を新しくデザインするときに、良い切り口になるのではないでしょうか。
小野:色で空間を塗る手法をすることで、二つのタイプの空間が与える印象を表していると思いました。ひとつは建築そのものとしてのハードを強く感じるタイプ。例えば赤で塗られた1933 のブリッジや、商街LOFTのエントランスキャノピーです。これらのタイプは空間の印象が建築(ハード)によって認識されている事例ですね。もうひとつは色区別が曖昧になって塗られたタイプです。このタイプはおそらく空間の主張が弱くなっていて、おそらくプログラム(テナントなど)やそこにいる人達がその場の雰囲気を作っているのではないかと思います。この分析を見ていると、建築だけで空間を作っている例は以外に少なく感じました。おそらく、創意園においては、特にプログラムの配置や人の活動を誘発しながら場の雰囲気を作っていくことが重要じゃないかと感じています。
小笠原:僕が学生だった頃を思い出すと、今回の発表のような主観的な語り口で空間を分析するような方法は恥ずかしいといった雰囲気がありましたがこれも時代なんでしょうか。
ただ、今回のような個人の気持ちを切り口にして空間を分析していくといった方法は今の時代にあっていて、もう少し科学的なアプローチと融合させて、サンプル数を増やしていくと人の集まる空間、集まらない空間などの特徴が見えてくるような気もします。
今回のように対象の数を増やして浅く広く分析するよりも、狭く深く分析したほうが新しい発見があったように思います。
非常に面白い切り口の、分析方法だと思いました。